©︎clinic
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June 1 - June 23, 2024
SAKUMA Osamu
佐久間磨
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2024.6.8(Sun) - 6.23(Sun)
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本展は原作者エヌ氏がclinicを訪れた際、マイケル・アッシャーによるポモナ大学プロジェクト(1970)を連想し、同プロジェクトのリサーチとして構想されました。
同氏が机上の計画として図面とテキストのみを作成し、Rondadeの佐久間磨に展示の実行全てを依頼しています。

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もともとclinicでの本計画は、既存の平面図を扱い、その形を変形することなく操作し、異なる空間へ変容させたいと考えていた。この点で、本計画は、私の基本的な関心を増幅させ、変化させたものである。本作は、与えられた外的要素を収集、構造化し、作品に統合するという点で、2人の異なる作者によってつくられた1つの住宅建築「ストンボロー邸」(1926)をモチーフに、2つの図面を重ね合わせ、その設計プロセスをリサーチした《PROJECT STONBOROUGH》(2022)と似ている。

しかし、プランを練るうちに、空間の持つ質のような固有の要素のみをそのまま横滑りさせることは、望ましくないと気づいた。空間が文字通り横滑りするのではなく、横滑り自体をつくるため、さまざまな要素が作品の制作と受容における固有の決定要素とならなければならない。私は壁と天井の設計者を演じ、Rondadeがその制作者を担う。両者の間に実制作における解釈のレイヤーが織り混ざった。

本計画は、単一の空間を、その空間を含みながら異なる場との複合によって形成される、一見中立に見える空間へと移行させる。空間の誘導された(偽)必然性は、容器の(偽)必然性に依存している。ギャラリー内に作られた凸四角形を含む斜めに配置された空間は、芸術作品を取り囲む通常の建築的コンテクストとは反対に定義される。それらは建築と敷地の容器の条件に適応し、参照した。

エヌ氏計画書より抜粋
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Artist Profile:
佐久間磨(Rondade)
さまざまなアートフォームの創作の初期衝動に立ち返り、既成の枠に捉われない方法で表現することを目的に設立された出版レーベルRondadeの主宰。本の形態はもちろんのこと、制作や販売方法も含めてユニークな出版を実践している。アートブック『冨井大裕 : 関係する|Interact 』、伊丹豪 『photocopy』などを出版。
https://rondade-prototype.com/

エヌ氏(原作者)
スリッピングマインズ研究家