©︎clinic
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Scene of a betrayal 裏切られたシーン
Mari Tanimoto
谷本真理
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2018.4.28(sat)-5.20(sun)
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ミステリアスな壺がある。形はふにゃふにゃで色はどろどろの塊。並んだそれらは全部ヘンテコな物体に見える。でも土偶や埴輪のように、どこか遠くからやってきた懐かしいものの面影がある。
今回clinicで展示される谷本真理の最新作は、「裏切られたシーン」という謎めいたシリーズである。これは谷本が最近取り組んでいる陶器の作品に「絵を描いて焼いたら、溶けて流れてしまった」という出来事から生まれた作品群だ。この一見アクシデントともとれる現象を、谷本は嫌がらずむしろ喜んで受け入れ、創作テーマとして掲げている。「作品には自分のコントロールから逃れてほしい、自分の作品に裏切られた瞬間がいちばん気持ちいい」そんな話を聞いていると、ルールに縛られず、世界が知らないことで満ちていた幼い頃の感覚を思い出す。 もともと谷本の作品には落書きに近い軽快さがありながら、よく分からない感情やものごとも肯定し、造形していく意志の強さがある。エネルギッシュな展示空間は、未然の暴発性と呼べそうな雰囲気に満ちて、うごめく生命のムッとする香りを漂わせる。今回の「裏切られたシーン」も新機軸の陶器表現が、新たな感性を感じさせてくれることだろう。
自然体に生の自分自身と向き合う谷本の留まることのない探究心と、挑戦的な態度に満ちた空間を是非実際に感じてほしい。
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Planner: Takuya Kumagai 熊谷卓哉 (美術家、アーティスト・ラン・スペース「波さがしてっから[京都]」ディレクター)
Artist Profile:
1986年兵庫県生まれ。2012年京都市立芸術大学大学院 美術研究科彫刻専攻修了。
主な個展に「Under 35 谷本真理 展」(BankART Studio NYK/2014年)、「こわすための壺と落ちていく絵」(波さがし てっから/京都/2016年)、「ももこさんの壺」(ホホホ座ギャラ リー/京都/2018年)。主なグループ展に「新・陶・宣言」(豊 田市美術館/2011年)、「黄色地に銀のクマ∪スーパーホー ムパーティー」(神戸アートビレッジセンター/2013年)、 「アーティスト・ラボ -つくられるの実験- 」(川口市立アート ギャラリー・アトリア/2014年)、「清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2017」 審査員賞『田中泯賞』受賞 (岐阜県美術館/2017年)
www.maritanimoto.com
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Photography: ShoichiImai / Benjamin Hosking